概要
新規仮想マシンの作成はvSphere Clientでウィザードに沿って行うことが出来ます。
「新規仮想マシン作成ウィザード」で必要事項を入力、または選択して作成します。
このウィザードですが、仮想マシンのパフォーマンスの観点から仮想マシン作成時に気をつけるべきことがあります。
そんな気をつけるべき点を確認していきたいと思います。
Windows仮想マシンの作成を例に見ていきます。
環境はvSphere 6.7です。
新規仮想マシン作成ウィザードの流れは以下です。
- 作成タイプの選択
- 名前とフォルダの選択
- コンピューティングリソースの選択
- ストレージの選択
- 互換性の選択
- ゲストOSを選択
- ハードウェアのカスタマイズ
- 設定の確認
このうち、[互換性の選択]、[ゲストOSを選択]、[ハードウェアのカスタマイズ]画面で気をつける点があります。
この3つの画面を見ていきましょう!
新規仮想マシン作成ウィザード
互換性の選択
vSphere 6.7の場合は上記の画像のように選択できます。
「互換性の選択」は、仮想ハードウェアバージョンに影響してきます。
上が古く、下が新しいバージョンになります。
仮想マシンの互換性 | 仮想ハードウェアバージョン |
ESX/ESXi 3.5以降 | 4 |
ESX/ESXi 4.0以降 | 7 |
ESXi 5.0以降 | 8 |
ESXi 5.1以降 | 9 |
ESXi 5.5以降 | 10 |
ESXi 6.0以降 | 11 |
Workstation 12以降 | 12 |
ESXi 6.5以降 | 13 |
ESXi 6.7以降 | 14 |
ESXi 6.7 Update 2以降 | 15 |
仮想ハードウェアバージョンの違いは下記のような違いがあります。
- 仮想マシンの構成上の制限
- 利用できる機能
- サポートするvSphereのバージョン
中でも特に気をつけたいのが、サポートするvSphereのバージョンです。
新しい仮想ハードウェアバージョンの仮想マシンは古い環境へは移行することは出来ません。
仮想マシンの構成上の上限では、バージョンによって下記の違いがあります。
ハードウェアバージョン15の場合は仮想マシンの最大メモリ量は6128GBですが、ハードウェアバージョン10の場合は1011GBです。
同様に仮想マシン1台に割り当てられるCPUのプロセッサ数は15の場合は256個、10の場合は64個です。
基本的には新しいものを選択しておけばよいとは思います。
仮想ハードウェアバージョンによる、その他の機能の比較は下記で確認できます。
ゲストOSを選択
こちらはインストールするゲストOSにあわせて選択します。
Windows、Linuxなどのファミリを選択し、その後、バージョンを選択します。
vSphereはここで選択したOSの種類に応じてそのOSに適した設定で動作します。
(VMwareハードウェアアシストなど)
ハードウェアのカスタマイズ
SCSIコントローラ
環境にもよりますが、ゲストOSが対応していれば「VMware準仮想化」を選択しましょう。
PVSCSI アダプタは、スループットの向上と CPU 使用率の低減を実現できる高性能なストレージ アダプタです。PVSCSI アダプタは、ハードウェアやアプリケーションが大量の I/O スループットを推進する環境、特に SAN 環境に最適です。VMware PVSCSI アダプタ ドライバは Windows Storport ストレージ ドライバとも互換性があります。PVSCSI アダプタは DAS 環境には不向きです。
https://kb.vmware.com/s/article/1010398?lang=ja
サポートされるゲストOSは下記を参照ください。
ネットワークアダプタタイプ
こちらはできれば「VMXNET 3」を選択しましょう。
VMXNET 3は仮想マシンハードウェアバージョン 7 以降でのみサポートされます。
VMXNET 3 アダプタは、パフォーマンスのために設計された次世代の準仮想化 NIC で、VMXNET や VMXNET 2 とは関係ありません。 これは VMXNET 2 で利用可能な機能をすべて提供し、マルチキュー サポート(Windows の受信側スケーリングとも呼ばれる)、IPv6 オフロード、および MSI/MSI-X 中断配信などのいくつかの新機能を追加しています。 VMXNET 3 のパフォーマンスについては、「Performance Evaluation of VMXNET3 Virtual Network Device」を参照してください。 オペレーティング システム ベンダーはこのカード用の組み込みドライバを提供していないため、VMware Tools をインストールして、VMXNET 3 ネットワーク アダプタを利用するためのドライバを取得する必要があります。
https://kb.vmware.com/s/article/1001805?lang=ja
ネットワークアダプタの違いは下記が詳しいです。
ゲストOSがVMXNET3に対応しているかどうかの確認は下記の『VMware Compatibility Guide』を参照します。
上記のようにネットワークで「VMXNET 3」を選択して、[更新して結果を表示]をクリックします。
下側に対応するゲストOSが表示されます。
絞り込みたい場合は、製品リリースバージョンでESXiのバージョンや、OSファミリでOSの種類を指定して絞り込みます。
まとめ
この、[互換性の選択]、[ゲストOSを選択]、[ハードウェアのカスタマイズ]画面のデフォルト値は決まっており、仮想マシン新規作成の度に指定するしかありません。
仮想マシンのパフォーマンスに影響しますので、忘れないように変更しましょう。
ちなみにゲストOSのインストール後に変更すると仮想マシンが起動しなくなったり、ネットワークの設定が失われたりしますので、コツが必要です。
VMware準仮想化SCSIアダプタを接続したWindowsの新規インストールについては下記の手順を参照ください。
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